itti(イッチ)の部屋

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【ittiイッチのビーエル日記】その29お知らせ



こんにちは


またもや、私の小説に修正の依頼がまいりまして


過度の猥褻な表現が含まれるものがある。らしく.....


申し訳ございません。利用規約に反するとの事で、こちらへ載せた小説はすべて削除させていただきます。


「小学生低学年が読めるような表現を目安にしてください。」


と、言われましても、かなり無理がありますので。


伏語などもダメで、前後の表現も基準に入るそうなので、結局は話のすべてが恋愛小説(男同士だけれども)の場合は、やっぱり入っちゃいますよねぇ。。。。。( *´艸`)


ただ今懸命に削除している最中です。


日記はそのままでよろしいのでしょうか?!


何かお子様に毒を与えてはいないでしょうか?!


心配ですが、また依頼がありましたら、その時はイッチもろとも消えるつもりです。


突然ブログの停止となりました時は、ごめんなさい。


楽しみに読んでくださる方も少数ですがいらっしゃるようで、誠に申し訳ありませんが、今後は「アルファポリス」の小説サイトやpixiv小説にて投稿していくつもりです。


もし、このサイトが停止に至らなければ、日記などは更新したいと考えます。


せっかく読者登録させていただいたし、ブログも拝見したいですから。


『オレンジタウン』残響のひかり。 途中になってしまい、申し訳ありません。


pixiv小説に投稿していますので、続きが気になる方は、そちらに御訪問下さい。


サイドバーに貼ってあるリンク(pixiv itti)をクリックすれば、飛べますので。


削除した小説は、いずれまた別の小説サイトにてアップいたします。
お目にかかれる日が来ますように.........。





『オレンジタウン』残響のひかり。05

 
 運ばれてきたのは、二人分の鴨南蛮そばで。


ここは、ちゃんと鴨の肉が入っている。
たまに行く店は、鶏肉を使用しているのに〔鴨南蛮そば〕と書かれていて、常々おかしいと思っていた。


僕がそんな事を思い出している間に、神谷さんはさっさと食べ始めていて、こちらを見向きもしない。


なんて言うか、凄く自分勝手というか、人の事は気にしないっていうのか・・・・。



どんぶりに顔を近づけて、一口目をすすった。
勢いよく、ずずっと吸い込むように入れたそばを堪能すると、思わずごくりと喉が鳴る。


「ウマイ。」


声に出した僕に、神谷さんはすかさず「でしょ?!」と確認するように言った。


「はい、ここの蕎麦は本当にウマイですね。初めて来た店ですが、今度また来たいですよ。同僚にも紹介しておきます。」


いつになく、自分でも驚くほど素直に気持ちを言い表せた気がする。
僕がこんなに食べ物を褒めるって事は、今まであまりなかったから。



「津田さんに喜んでもらえて嬉しいです。でも、出来れば俺と津田さんだけの行きつけの店って事にしてほしいな。」
汁をすすった後で、どんぶり越しに僕の顔を見ると言う。が、少し上目使いになった瞳の奥に、言いようのない危機感を感じた。


「・・・あの、・・・さっきの話ですが、」
「ああ、それは食べてからにしましょうよ。早く食べないと、せっかくの蕎麦が伸びちゃうんで。」


「・・・はい。」





神谷さんに言われた通りしっかり食べ終わると、お茶を片手に再度尋ねる。
別に二人で食事を楽しみに来たわけではない。


「痛い所」のことと、僕の会社のある場所を知っていることを聞きたかったんだ。



「前にね、うちの会社に来た事があるんですよ、津田さん。」
そう言われるが、だからと言って顔見知りでもないのにどうして僕の事を覚えていたのかと不思議に思う。



「僕は、ほとんど事務所にいるんですよ。所長と企業に出向くとしたら限られた場所です。しかも、ここ1カ月は訪問していない。」


神谷さんの顔を見ると言ったが、尚もこちらに笑顔を向けられて不思議に思った。



「俺、美容関係の商品を輸入販売している会社に勤めてるんですけど、'シールズ’ってとこです。」


名前を聞いて思い出す。


確か1か月前に行った会社。


フロアごとに部署が分かれていて、迷いそうになった記憶がある。



「確かに行きました。でも神谷さんと会った覚えはありませんが・・・。」



「そりゃそうですよ。俺が見かけたのは、エレベーターの中ですから。」




「え?!・・・見かけた、って・・・・」
驚いた。一度見かけた相手の顔を覚えているなんて・・・・。




「あ、・・・待って待って。今、俺の事ヘンなヤツだと思ったでしょう。」


「・・・・・・」


返事に困っていると、尚も神谷さんが話を続ける。



「営業で、外回りから帰ってきた俺が、エレベーターに乗り込んできた津田さんともう一人の方に、何階ですかって聞いたんですよ。忘れてるだろうけど。」


「ああ、・・・まあ、・・・」


そんな事、普通にどこでもある事だし、忘れるも何も・・・。



「で、俺は津田さんに一目惚れしたんです。」






「・・・・・?」







「俺、ゲイです。・・・ホモって言った方が分かりやすいかな。」


聞いてもいないのに、唐突に自分の事を言ってのけるから呆気にとられた。





「あの、・・・それで、どうして僕の会社が分かったんですか?そこを聞いていない・・・。」



「・・アレ?・・・ホモってところはスルーですか。まあいいや、お二人が総務課のフロアで降りた後、俺もついて行って総務の女子に聞いたんです、労務士さんだって。」



「・・・正確には、僕は労務士事務所の社員で、労務士は所長なんですけど。」
そう言ったが、神谷さんにはどうでもいい事の様だった。


「ちゃんと会社の住所も聞いておいたんだけど、まさかあの日、交差点でぶつかりそうになったのが津田さんだなんて思いもよらなくて、これはきっと運命なんだって思いましたよ。」


一人で熱く語る神谷さんの姿に半ば呆れると、
「そうですか、それで、痛い所っていうのは・・・・」
淡々と聞いてみた。
これ以上神谷さんの話を聞くのが面倒で・・・。



「そう、それです。痛い所・・・・・」


「はい、どこですか?場合によっては、仕事がら病院も紹介できるので。」
仕事関係で付き合いのある病院を紹介して、それで勘弁してもらおうと思った。
なのに、神谷さんの口から出てきた言葉は・・・・。

『オレンジタウン』残響のひかり。04

 夕方6時をまわり、事務所の中には僕ともう一人の社員だけが残っていた。


お互いに社員数の多い企業を任されて、製造の会社となると入れ替わりも激しい。
その都度、離職の手続きやらであわただしく、もめ事などが起こった日には調べ物で夜中までかかることもあった。


「津田くん、そろそろ終わる?・・・俺の方は、あと5分ぐらいなんだけど。」


「はい、僕もあと一人分の入力で終わります。」


2年先輩の佐々木さんは、この間結婚したばかりで、本当は残業なんかしないで早く帰りたいだろうに・・・。




パソコンの電源をシャットダウンすると、机の上に置きっぱなしの携帯に目をやった。
そう言えば、後で連絡すると言ったのに、未だに連絡がない。


僕としては、その方がありがたいけど、痛いところがあるとか言われると気になった。




佐々木さんを見送って事務所を後にするが、ポケットの中の携帯はまだ反応しないまま。
時計の文字は18:58


7時に待ち合わせっていっても、どこか分からないし、今日はきっと取りやめになるんだと思って車のエンジンをかけたその時。胸ポケットにしまった携帯が反応して、思わず僕までブルっと震えてビックリする。




「・・・はい、津田です。」


緊張して出た僕に「ははは、、やだなぁ、そんなに堅くならなくていいですよ。神谷です。」と、笑いながら言う声が。


僕は、その名前を見たから緊張したっていうのに・・・。


「えっと、そこら辺に’ホテルレガシー’ってのがあると思うんです。ビジネスホテルですけど。」
「え?・・・・近くって・・・・」



なんとなく、視線をあげてみた僕は、一瞬背筋がゾクツとなると、辺りを見回した。


今、立体駐車場の前に見えるのが、その’ホテルレガシー’だったから.....。
まさか、彼もこの駐車場にいるんじゃ・・・


「あの、神谷さんは、・・」
「俺、そのホテルの入口に居ますから、車は駐車場にそのまま置いて来てもらっていいですか?」


「・・・え?!」


僕は焦った。
もちろんすぐ近くだし、行けない距離ではない。
7時に、と言われて間に合う場所に、行けないとは言えなかった。



「わ、かりました・・・。」


携帯を切ると、カバンを持って歩き出す。
が、なんとなく足が進まない。


こんな風に呼び出されて、何を言われるんだろう・・・・。
昨日は、怪我はないと言っていたのに、今日は痛いところがあるって。


ひょっとして、何か悪いことを企んでいて、僕に慰謝料を払えっていうんだろうか・・・。
一抹の不安を抱えて、指定されたホテルの前に着く。


すると、中から神谷さんが出てきた。


「すみません、丁度ここに泊ってるお客さんを送ってきていて。時間もギリギリだったし、間に合えばいいなと思って・・・。よかった、帰る前で。」


僕がキョトンとしているのに、神谷さんは気にせずしゃべりだした。


「あの、・・・どうして僕の仕事場がこの近くだって分ったんですか?それに駐車場まで・・・」


不審に思って聞いてみると、「ああ。」と一呼吸おいてから「ここじゃなんですから、話せるところに移りますか。」
という。


ホテルの入口で立ち話も出来ず、仕方なく神谷さんについて行く事にするが、一度抱いた不信感はなかなか消えるものではない。やはり緊張の面持ちで後についた。


「津田さんは蕎麦、食べられますか?」


「え?・・・ああ、はい。大丈夫ですが・・・。」


「なら、ここへ入りましょう。ここの2階は個室があって、平日は静かなんで。」


「・・・はい。」


思わず返事をしてしまい、言われた先を見上げると、ビルの中に何軒かの飲食店が入っていて、確かに蕎麦屋の名前が。
静かに蕎麦を食べながら、何を言われるか心配ではあるが、それでも人通りのあるビルの中だしと思うと、少しだけ緊張も解ける。


時間的に、会社帰りのサラリーマンやOLの姿が目立つが、渋い色合いの内装やゆったりした静かな雰囲気は心地よく感じられ通された部屋に入ると、尚更そう思った。


4畳半ほどの畳敷きの部屋には年季物の座卓が置かれ、カバンをその下へ置くと上着を脱いで壁に掛かったハンガーに掛けておく。それからゆっくりと腰を降ろすと、目の前の神谷さんが僕の顔を見てニコリと笑った。



「よかった、津田さん泣きそうな顔だったから、断られるかと思ってましたよ。」
神谷さんの言う言葉で、さっきまでの自分の不安が顔に出ていたことを知る。



「そうですか?・・・・すみません、そんな顔していましたか・・・。」


僕の返事を聞きながらも、神谷さんはしっかりとお品書きに目を通していて、「適当に頼んじゃっていいですかね?!」と聞かれたので「はい、お願いします。」と答えた。