itti(イッチ)の部屋

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【同性を愛するということ】

こんにちは イッチです。
最近は、別サイトでの小説を進める為、コチラが疎かになってしまいました。
でも、読者登録した皆さんの記事にはお邪魔しています🎵


今日は仕事が休みだったのですが、至急のお仕事が終らなかったので会社に行きました。


で、処理するまでの時間を潰そうと、海外の映画を見てました。netflixで観たのですが、『ブライドグルーム』という同性愛のカップルのドキュメント形式のもの。


イメージするに、アメリカは自由の国だと思っていたけれど、同性愛者への偏見が非常に極端に現れています。


田舎だと、命の危険もあったりして、そういう少数派の人がカリフォルニアに行きたがる気持ちも納得です。


子供の頃から、自分は友達と違う。
そんな風に思っても、誰にも相談は出来ません。家族も受け入れてくれない。教会で祈ればなんとかなると思っている。
そういう中で暮らす事の難しさ。


この映画を観て、恋人をなくしたゲイの自叙伝かと思っていたら、とんでもない。


二人の関係が、本当に素敵で‼
『伴侶』という言葉がピッタリで‼


なのに・・・突然の不幸が二人に襲いかかる。そして、本当に悲しいのは、葬儀に参列することが叶わなかったシェーンの心。


もうね、涙がとめどなく溢れます。


愛し合う二人。これは同性でも異性でもですが、家族や世間が認めない愛の形は、差別を受けるのです。


悲しい(。´Д⊂)


でも、ひとつ救われるとしたら、彼らには良き理解者が居てくれたこと。友人、知人。家族の中にも何人か。


根本的な解決にはなりませんが、せめてそっとしておくぐらいは、いいのではないでしょうか?
銃や言葉や力で拒絶するのではなく。そっと・・・


いろんな方に、是非観ていただきたい映画でした。



シェーンとトムの最高の軌跡です。
トムのご冥福をお祈りします。
そして、シェーンの心の平穏を祈ります。

『虹の橋を渡ったら』 SS 完

 せっかくの休日デートも、的場さんの一言で台無しだ。


肩を落として自宅へ戻ろうと、バス停に向かった僕に、「大宮⁉」と、後ろから声が掛かったので振り向いた。


─ぁ。


声の主は高校時代の同級生。
高岡 俊也(シュンヤ)だったが、あまり良い印象は無い。



「地元に居るのは知ってたけど、会うのは久しぶりだなぁ。元気?」
気軽に声を掛けられて、隣に並ばれるとちょっとした威圧感で息苦しくなる。


「高岡くんは相変わらず体格いいね。まだ格闘技やってるんだ?」
「うん、今は趣味で、だけどな。」
「へぇ・・・・そうか。」



ちょっとだけ間が空いて、彼が僕の方を見ているのに気付いた。


「大宮、相変わらず小っせぇな。顔も変わってないし・・・ジャニヲタの餌食にされそう。ふ、はははっ。」
口の前でグーにした手が笑い声を隠せるはずもないが、一応の気づかいをみせる。


「なんだよジャニヲタって・・・。僕だって少しは身長伸びたんだよ。167センチ。」


「・・・・」


高岡くんは黙ってしまった。
胸を張って167センチの報告は要らなかったのか?


その後、なんとなく高校時代の担任の話になったりして、バス停まではアッという間に着いた。
「じゃあな、」「うん、」と言って互いに手を上げると僕たちは別れる。


程なくして来たバスに乗り込もうと列についたが、僕の隣に来た人に腕を掴まれてビックリした。一瞬のけ反って隣を睨むが、その顔を見て目を見開いた。


「.........的場、さ、ん.....?」


僕の言葉はそのままで、腕をつかんだままバスに乗り込むと、二人掛けの空いているシートに押しやられ腰を降ろす。ドキドキした。公衆の面前で、腕を掴まれているとはいえ二人で寄り添うように座るって・・・・・


映画館で隣に座るのも、変に意識して落ち着かないっていうのに、こんな混みあったバスの中じゃ更に意識しちゃうじゃないか。それに、掴んだ腕から離された的場さんの手が、僕の手の甲に乗せられていて・・・・へんな汗が出る。


『ヨシくん、怒ってるよね?』と言われ、こんな場所で返答に困る僕は黙ったまま。


『さっきのは強がり。全然ヨシくんの言葉を受け止めるなんて出来ないから。』


「................あの、.........降りる、次のバス停........だから、黙って..........」
小さな声でそう言うのがやっとで、僕は的場さんの手を掃うと立ち上がってパスケースを出した。


『あ、......』
的場さんが、慌てて小銭を出す様子を横目で見ると、ちょっと拍子抜けする。




僕たちは、バスを降りて辺りを見るけど、喫茶店なんかは見当たらず仕方がないから歩いた。どこへ向かう訳でもないけど、取り敢えず進行方向に向かって歩き出す。


「なに?僕の後を付けてきたの?」と聞く僕に、『・・・うん。』と答える。


「もっと早く声かけてくれたらいいのに・・・。」


『うん、そうしようと思ったら、なんかデッカイ男が出て来て・・・話し始めたから。』


「ああ、あれは高校の同級生だったヤツ。・・・え?そっからずっと僕の事見てた?」


『・・・まあ、仕方なく・・・ネ。』


「・・・そう、・・・で?」


さっきのバスの中での続きを聞かせてもらおうと思った。
ここなら誰かに聞かれる事も無い。行き過ぎる車の音で、自分たちの声も聞こえにくい程だし。


『ヨシくんが女の子なら、今すぐにでも結婚して、寂しい思いはさせないのに.....』
「...............は?」


耳を疑った。
この状況で、今更な僕らの性癖を語るつもりか?


「男の子の僕が好きって言ったのは、的場さんだよね?」
『.......うん、もちろん。』


「僕は、言っておくけどゲイなの。自分で気づいたのは的場さんに声を掛けられてからだけど、かといって女性になりたい訳じゃ無い。」
『うん、分かってる・・・。』


歩きながら、思わず興奮してしまった。バイセクシュアルの的場さんにとって、僕は同性の恋人で、異性の恋人を作る事も出来るんだ。嫌になる。こんな事で自分の性や思考を再認識するなんて............


「悲しくて涙が出るよ。僕が的場さんを好きになったのがいけなかったの?女の子じゃなきゃ、一緒にもいられないの?」
そう言ったら本当に涙が出て来て、それを拭うのもみっともないからそのまま歩く。


『ごめん、そういう意味じゃなくて・・・』
「じゃあ、どういう意味?僕に手術でもして外見だけでも女になれっていうの?」
思わず立ち止まると、的場さんの顔を睨みつけた。
的場さんは、僕の泣き顔に驚きの表情をするが、唇を噛みしめて眉をさげる。
だらりと下げた僕の腕をグイッと掴み上げると、的場さんが身体をギュっと抱きしめてきた。


「あっ,.........ぁ」
一瞬の事で、頭の中は空っぽになったが、行き過ぎる車の窓から僕らを振り返ってみる人に気づくと焦った。


ここは一般の歩道で、自転車に乗った人や歩く人も通っている。


僕らの横を通り過ぎる自転車の人も、一瞬だけど振り返って見て行った。


「的場さん・・・」
怒れる事よりも、今度は恥ずかしさでいっぱいになった。
こんな所で抱きしめるなんて・・・・・


『ヨシくん、職場は遠くになるけど、・・・休みの日は、出来るだけ会えるようにするから、別れるとか言わないでほしい。』
僕の頭の上から聞こえる声は、少し震えているようで.......。


僕の興奮も治まると、なんだか恥ずかしさも薄れてきて、歩道の上で的場さんの背中に回した腕に力を込めた。


「さっきの虹............、キレイだったね?!」
『うん、あんなに大きな虹は珍しいよね。初めて見たかも。』


部屋から見えた虹の事を思い出して僕が言うと、的場さんも話始める。
さっきは悲しみでどんよりしていて、言いたくても言えなかった。
あんなに素敵な虹の橋もかすんで見えてしまったんだ。
せっかくの、自然界が与えてくれた綺麗な光の帯だったのに・・・・


『また一緒に居たら、素敵な虹を見れる日も来るし。もし、離れている時に見えたとしても、あの虹の橋のたもとにはヨシくんがいるんだって思うよ。』
そう言うと、的場さんはもう一度僕の身体をきつく抱きしめた。


「うん、僕もそう思う事にする。.......大好きな的場さんが、そこにいるって想像するよ。」
『ヨシくん・・・』



何台の車が、抱き合う僕らを横目で見て通り過ぎたか・・・。
地元で、知り合いに見られるかもしれない場所で、僕らは二人だけの世界に浸っていた。


暫くして身体を離すと、手を繋いできた的場さん。
僕はもう恥ずかしくなくて、そのままにして歩いた。


『でね・・・』
「・・・ん?」


口元を綻ばせてにこやかな的場さんは、僕に向き合うとこう言った。
『埼玉までは、電車で通える距離なんだよね。通勤時間は倍ぐらいかかるけど、引っ越しをするほどじゃないんだ。』と。


----------ぇ?------------


僕らの今までの話って------------?!






-----------完---------------



***先日、雨上がりの後、地元でおっきな虹が架かったんですよね。
それを車の中からパチリ。
で、虹を見ていたら思ったんです。
この虹の向こうってどうなっているんだろうか。
見る角度は違うけど、誰の目からも見える虹。
これを見る恋人たちはどんな想いを馳せるのか…ってね。
そして、出来たのがこの『虹の橋を渡ったら』でした。
最後まで読んで頂き有難うございます。
甘々な二人の続きは、ご想像にお任せいたします。-----では(*'ω'*)



『虹の橋を渡ったら』 SS

───春になった。

そう思って気持ちが緩んだ僕に、突然のアクシデント。


高校から付き合ってきた二つ年上の彼、的場 健治さんが、急に転勤になるという。


「何処へ?」

僕は彼に詰め寄った。


地元の会社に就職して、支社はなく、転勤なんてないはずだったのに。


『ごめん、ヨシくん。』


僕の名前は大宮 芳樹。

初めて会った日に、『ヨシくん。』と呼ばれて以来、ずっとそう呼ばれているが、こんな時にそう呼ばれるのは、ちょっと気が抜ける。


「ごめんヨシくん、じゃなくてさぁ、説明して‼支社のない会社で何処へ転勤になるんだよ‼」

二人だけの部屋で、思わず声を荒げる僕。


『・・・』


固まったままの的場さんをじっと睨み付ける。


高校を卒業して三年。

僕は地元の大学に通っている。就活を初めてみて、社会人の大変さが分かって、的場さんにワガママ言わないようにしていたけど、コレばかりは話が違う。


「的場さんと離れたくなくて、僕は地元の大学を受けたんだ。ずっと一緒に居られるねって、喜んでたじゃないか。なのに・・・」


『そうなんだけど、・・・実は昨年の夏から埼玉に支店をつくる計画があって。』


「え?・・・・まさか」

寝耳に水。そんな話今頃聞かされたって・・


『俺の先輩が行くと思ってたんだけど、その人の奥さんに子供が産まれて・・・』


「行けなくなった、って訳?でも、決まってた事でしょ⁉子供が産まれたからって、なんで的場さんが‼」


『ヨシくん、・・・子供の側に居たいと思うのは仕方の無いことだよ。』


それを聞いて、僕は腹が立った。だって、僕は我慢しなきゃいけなくて、その子供は当然のように引き留める事が出来るなんて、不公平だよ。


「わかった。じゃあ・・・別れるしかないね、僕たち。」

『え?・・・・え?』


豆鉄砲を食らった鳩のように、目を丸くして驚く的場さんが、僕の顔を二度見する。

でも、僕は知らん顔。


明日会社の人にお願いするんだね。

僕は心の中でそう思って、的場さんの反応を待った。


.....なのに


『仕方がないな。ヨシくんがそうしたいなら、俺は受け止めるしかないよ。』


.....え?.....

受け止めるの?



暫く沈黙が続き、だんだん居たたまれなくなると、的場さんが立ち上がって窓の外を見た。


朝からの雨はすっかりあがっていたようで、雲の切れ間から日の光がさし込んでいるのが、僕の所からも見えた。

目映い光に透ける雲の切れ間が、とても幻想的で綺麗。一瞬、沈んだ心が和んだ気がして、僕も立ち上がって的場さんの隣に立つ。


──この景色を二人で見て来たのに。


実家暮らしの僕は、ここが第二の家のような気がしていて、合鍵をもらった時は本当に涙が出るほど嬉しかった。就職が決まって、お金が貯まったら、同じアパートに越して来ようと思っていたのに.....


「僕の存在なんて、そんなものだったんだね⁉すぐに無かった事に出来るような。」


恨めしそうに言ったが、的場さんが僕の方を見る事はなかった。

的場さんの視線をたどれば、北の方に大きな虹がかかっていて、いつもなら綺麗だと興奮してはしゃぐのに。

今日は、綺麗な虹もボヤけて見えた。