itti(イッチ)の部屋

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『気づいたんだけど』05

 人の気も知らないで、吉田は晩御飯を一緒に食べたあと、帰る事なくオレの部屋に泊まった。


前は、セミダブルのベッドの上で窮屈そうにくっついて寝たが、流石に今夜は気持ちが持たない。きっとオレの「好き」がダダ漏れてしまいそうで、とにかく離れて寝なくては、と思った。


ベッドの横に寝袋を置く。


客用の布団なんて家には無くて、大抵友達とはベッドで寝るし、夏は床にタオルケットを敷いただけでごろ寝。
案の定、吉田は今夜にかぎって寝袋を持ち出したオレを変な目で見る。


「なに?!これはキャンプの練習かなんか?こんなの持ってたんだ?!」


「・・・いいよ、オレが使うから。吉田はベッドで寝ろ。」



「え?・・・なんで?!いっつもベッドで寝るじゃん。寒いんだしくっついて寝ようぜ。」


「・・ヤだよ、窮屈なんだ。お前と寝るよりこっちで寝る方がいい。」
そういうと寝袋のファスナーを開ける。


「なあ、大村・・・。なんか怒ってるの?今日はずっと機嫌悪そうだけど・・・。」


その言葉を聞いて、俺はカチンとくる。
吉田が悪い訳じゃないが、自分自身のヘタレ加減にウンザリしているんだ。


同性の親友を今までとは違う意味で好きになって、女の子に対しての好きって気持ちが軽いものに感じた。アレは、単に周りに合わせていただけなのか?!
高校の時の彼女は何だったんだ?!


「機嫌が悪い?!・・・オレが?・・・まさか。」


「アレか・・・。ひょっとして俺の絆創膏が気に入らない、とか?!」


「はあ??!・・・なんでだよ。」


「やきもち、だろ。自分には痕を付けてくれる女がいないもんだから。」



「・・・・・」


- そっちのヤキモチか・・・・。


「別に・・・、そんなのつけて欲しくないし。全然羨ましくないからな!」



「ま、いいや・・・。歯磨こうっと!」


吉田は、勝手知ったるうちの洗面所で、普通に顔を洗い出す。


オレも隣に行くと、同じように洗った。


こんなに距離は近いのに、心は近づけなくて。追えばきっと、手の届かない所に行ってしまう。この気持ちは封印しなければ・・・。


・・・・・と、思っていたのに。




*吉田くんのヘアスタイルが『りゅうちぇる』になっていますが (笑)
何を考えているのか分からない子は、本当にお手上げです。
友情は何処まで行ったら愛情に変わるんだろう・・・?


深い意味はなくても、同性の友人に愛情を注ぐ方は多いはず。


その人との距離を意識し始めた時、それは『恋』に変わるのです。( *´艸`)ウフフ


今年も、妄想全開!!
宜しくお願い致します。

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