運ばれてきたのは、二人分の鴨南蛮そばで。 ここは、ちゃんと鴨の肉が入っている。 たまに行く店は、鶏肉を使用しているのに〔鴨南蛮そば〕と書かれていて、常々おかしいと思っていた。 僕がそんな事を思い出している間に、神谷さんはさっさと食べ始めていて、こちらを見向きもしない。 なんて言うか、凄く自分... 続きをみる
pixiv小説のブログ記事
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夕方6時をまわり、事務所の中には僕ともう一人の社員だけが残っていた。 お互いに社員数の多い企業を任されて、製造の会社となると入れ替わりも激しい。 その都度、離職の手続きやらであわただしく、もめ事などが起こった日には調べ物で夜中までかかることもあった。 「津田くん、そろそろ終わる?・・・俺の方は、... 続きをみる
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その日、いつもの様に事務所の机に貼りついて仕事をしていた僕は、ふと、デスクの引き出しが振動している事に気づいた。 微かに肘の辺りに伝わる振動で、引き出しに仕舞った携帯が受信しているのが分かる。 「・・・はい、津田です。」 電話の相手の名前を見たら、少し動悸がして小声になった。 「どうも、神谷で... 続きをみる
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神谷さんという人は、僕の携帯番号を聞いただけで、特に文句をいう訳でもなくあっさりと帰ってしまった。 僕は自宅へ戻ると、あの後神谷さんから連絡があったか携帯を確認するが、何の通知もないまま。 いつもの様にシャワーを浴びると、冷蔵庫からビールを取り出して一口飲んだ。 それから、ありあわせの材料で夕食... 続きをみる
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こちらはpixiv小説に投稿した作品になります それは、夏が終わったというのに、日差しが眩しい夕暮れ時の事だった。 真正面から西日を受けて、目を細めながら車を運転して帰る途中。 河川敷に咲くすすきの間から、小学校の運動場が見えると、ジャングルジムが目に入ってきた。 その時、オレンジ色の光に覆われ... 続きをみる